新田真剣佑/媚びない色気を操る
ETRO 2017 A/W Collection

2017.09.29 Fri

鳴り物入りで俳優デビューをし、弱冠20歳とは思えない貫禄と色気を持つ。 新田真剣佑という逸材は、芝居の世界にとっても大事な宝であることは間違いない。 エッジィかつ華麗なポートレートとともに本音に迫ったインタビューを掲載。

裏地に配された狼の毛並み柄に心奪われるコートは、ジャージー素材の比翼前仕立てのダッフルタイプ。着脱可能なフードにも、裏地プリント柄が施されており、圧倒的なインパクトを愛する人におすすめしたい。手に持ったコート¥270,000、シャツ¥69,000、ニット¥153,000、パンツ¥53,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

〝新田真剣佑〞を
感じさせない芝居を求めて

バイリンガルで端正なフェイス、そして抜群のプロポーション。アクション、ラブストーリー、ヒューマンドラマまでこなす血統書付きの演技力。新田真剣佑は間違いなく逸材だ。そして20歳と聞いて驚くほどの落ち着きっぷり。質問のひとつひとつを丁寧に聞き、思慮深く考える。「僕の仕事は役者で、常に『新田真剣佑』を感じさせない芝居を心掛けています。それもあってか、素の新田真剣佑を表現するのが、どうも苦手で」。と少々照れ臭そうにする表情から、20歳の青年特有のイノセントな心の内を垣間見ることができた。数多くの話題作に出演し、瞬く間に「新田真剣佑」の名は世間に知れ渡った。

 「確かに、知名度や人気が上がってきているのは、少しずつ実感しています。でも、人気と演技力は必ずしも比例するものではないし、人気があるからじゃあ芝居が上手い、ということではないと思います。僕としては、観た人の心に響く芝居ができた上で、ちゃんと役者として認められる存在になりたいと思っています」

アイボリーホワイトをベースに等高線地図がモチーフのダウンボマージャケット。ところどころに妖艶な鹿がプリントされており、どこか生の気配が漂う逸品に。中に着たジャージーは、インターシャによるパーツ嵌めこみによって狐の顔が表現されたもの。ブルゾン¥280,000、スウェット¥79,000、パンツ¥63,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

ジャケットはアンコン仕様で薄めの梳毛ウールからなるもの。ボルドーと赤の濃淡で展開されたメランジ調のツイル 無地素材が美しい存在感をより強調してくれます。ジャケット¥163,000、カットソー¥49,000、ショール¥63,000、チーフ¥16,000、手に持ったサングラス¥45,000、パンツ¥56,000、シューズ¥69,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

タフな印象を惜しみなく披露してくれるゴートスエードからなるテーラードジャケット。高品質なシルク素材が採用された裏地には、キュートなペンギンが無数に配され、そのチャーミングなギャップがクセに。ジャケット¥360,000、シャツ¥96 , 000、ショール¥46,000、パンツ¥46,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

ロサンゼルスで生まれ育ち、ビバリーヒルズの高校を卒業。幼少の頃から極真空手の道場へ入門し、師範代から礼儀作法、それから日本人の心を学んだ。この経験があってロサンゼルスで育ちながらも、日本人の感覚を養うことができたという。自身の転機はハイスクールへ通っていた15歳の頃。それまで夢も目標もなかったが、ある作品に触れて、目の前の霧が徐々に晴れていくように、心に大きな変化が生じ、人生の道程に光が射し始めた。そんな感覚を覚えたという。

 「その頃、たまたま観た日本映画が、役者を志したきっかけになりました。その作品のある役者さんのお芝居が素晴らしくて、そのストーリーとお芝居で心に火がつけられました。もうじっとしていられなくて、衝動的に『役者になりたい』って思いました。その瞬間から、自分が受けたこの衝撃と感動をいつか誰かに伝えたいって、そう考えるようになりました」

 その作品名と俳優名は、今はまだ伏せたいとのこと。「いつか共演する機会があったら、ご本人に直接伝えたい」と話す。その後、レッスン期間を経て、アメリカで俳優デビューを果たす。初の撮影現場の印象は「セリフも覚えられなければ、芝居もできない。ただただ怖い場所」。2016年よりハリウッドの作品も並行しながら、拠点を本格的に日本へとシフトする。

 「ハリウッドの場合は、僕の年齢でこなせる役は、どうしてもコメディ作品が多くて。けれどもハリウッドは、60歳を過ぎても堂々と主役を張ることができる環境があります。年齢と経験を重ねてからも、何度だってトライできるところがハリウッドのいいところ。とにかく今は、人の心に訴えかけるようなヒューマンドラマに携わっていきたいと思っていて、人間の心情を描いて、身体を動かさなくても、人の心を動かせるような作品に出て芝居をしていきたい。拠点を日本にしたのは、そんなヒューマンドラマに参加できるチャンスを求めたためです」

高品質なシルクウールのジャケットは、その抜群の肌馴染みの良さに魅了されます。全面を彩るセクシーなフローラル柄は、光沢が美しいゴールドカラーでプリントされ、一層ゴージャスな輝きを放ってくれそう。ジャケット¥260,000、シャツ¥63,000、手に持ったサングラス¥45,000、パンツ¥46,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

ストリートのエッセンスが魅力のボマーミリタリージャケットは、贅沢に採用された大量のスパンコールが周囲を魅了してやまないことは確実。よく見るとワイルドなカモフラージュ柄が表現されており、タフな男の気配も残してくれます。ブルゾン¥320,000、ニット¥86,000、パンツ¥46,000、ベルト¥49,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

 

素の新田真剣佑は、想像以上に情熱的でストイックな意思を持っている。今の置かれた状況を冷静に捉え、自分にとって必要なことを日々模索している。芝居に対して真摯に取り組み、撮影期間中は芝居以外のことは一切考えない。自身の演技を「まだまだ経験が足りず、下手くそ。失敗だらけ」と謙遜する。映画『ちはやふる』の小泉監督に言われた「映画は花火のようなものだから」という言葉がいつまでも心に残っているという。

「打ち上げるまで、時間と労力をかけて、しっかりと準備をする。一度打ち上がったら、みんなバラバラになって次の現場へ行く。儚くて切ないけれど、花火は一瞬だけど感動は一生残るもの。その一瞬のために精一杯やることがどんなに素敵なことか、それを教えていただきました。僕の名前は、この『ちはやふる』の役名である綿谷新(あらた)から、いただいたものでこの作品に携わって、たくさんの大切なものを得ました。役者という仕事がもっと好きになり、自分のやるべきことが見つかった、そんな大きな経験になった作品です」

インタビュー終了後、雑談中にアメリカと日本での生活のギャップを尋ねると。

 「日本の男性は基本的に女性に優しいのですが、レディファーストという概念があまりないように感じます。アメリカでは、普通のレディファーストをこちらでやると、気持ち悪がられてしまってまるで変人扱い(笑)。なので、日本ではトゥーマッチなレディファーストは控えるようにしています(笑)」

 リラックスした彼の表情から、やっと素の新田真剣佑を見ることができた気がした。

ウール、ポリエステル、シルク混のソフトタッチなジャージー素材からなるネイビーのコート。ボディとアーム位置に刻まれた印象深いグラフィックは、美しい雪をかぶった山々がモチーフに。圧倒的なインパクトとともに、ユニークかつモードな魅力を惜しみなく披露してくれる逸品に。コート¥390,000、シャツ¥36,000(ともにETRO/エトロ ジャパン)

Photo_Hirohisa Nakano
Styling_Masayuki Sakurai
Hair&Make_Yusuke Kasuya(ADDICT_CASE)
Interview&Text_Daisuke Udagawa(LOADED)

【Profile】
新田真剣佑(あらた まっけんゆう)/1996年生まれ、ロサンゼルス出身。2014年に日本で活動をスタート。TBS系ドラマ『仰げば尊し』で一躍注目を浴びる。2017年、映画『ちはやふる -上の句- -下の句- 』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2018年には映画『不能犯』『ちはやふる 結び』『OVER DRIVE』の公開が控えている。 

【問】
エトロ ジャパン
TEL : 03-3406-2655

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