Interview 満島真之介 風の吹くままに

2017.03.21 Tue

肩肘張らずに、いつも自然体でいられたらどれだけいいかとフト思う。常にナチュラルで人生を気の向くままに過ごせたら。俳優・満島真之介にはそんな素質がある。取材当日、 準備が整い撮影スタッフに挨拶を済ませると、すぐにカメラの前に立ち、 自由気ままに撮影を楽しんでいた。トップブランドのワードローブに身を包みながら、素の満島真之介が次々と切り取られていく。満島真之介は、アイディアに溢れた多彩な魅力を持っている。
「ファッションに関して、実は深く探ろうとしていないところがあります。 別に興味がないわけではないし、関心は大いにあります。突き放すでも寄り添うでもない距離感が。つまり生活の一部として捉えていて、文字通り衣食住のひとつというか。常に 無意識の中で選んでしまう服を信じています。そうすることで、『今の自分に何が起きているのか』を知ることができる気がして」

ジャケット¥113,000、パンツ¥56,000、ストール¥113,000(すべて DRIES VAN NOTEN/ドリス ヴァン ノッテン)、その他 スタイリスト私物

着物風コート¥375,000、シャツ¥81,000、パンツ¥225,000、シューズ¥164,000、ファン¥50,000(すべてGUCCI/グッチ ジャパン カスタマーサービス)

無理に着飾って、現状の自分を実力以上に演出するようなファッションはかえって逆効果に。「できれば、本当の自分を知り、それを周りに伝えることができたら、そのほうがどれだけ素敵なことか」。満島真之介は饒舌だ。さらにファッションに対する持論を続ける。
「服ってどこか、人との出会いに似ている気がします。たとえば僕の場合ですが、『この人と付き合っていれば、きっと自分に何か得ある』という考えは ほとんどないです。人生を生きていく中で起こる計算のない偶然の出会いを信じています。きっと普通に生活していたら出会わないような、イレギュラーな出会いを。また、出会った頃には動かなかったけれど、 何年が経ったら急に動きだしたとか。人だけでなく、服に対しても似たような感覚があります」

 高校を卒業した後に上京。約2年間のアルバイト生活を経て、自転車での日本1周の旅にもトライした。 その後、 年に俳優としてデビュー。コンスタントに仕事をこなし、その階段を着実に上がっている。 現在ではすっかり、映画、ドラマ、など引っ張りだこの売れっ子俳優に。階段の1段1段に対して真摯に向かい、自分の気持ちをのせて着実に上がってきた。気づいたら、パッと光が当たり始めた。
「自分は体験型タイプなんだと思います。日本1周の旅も『僕は大して日本を知らない』と思ったので、じゃあ自分の足と目で確かめに行こうという感じで体感してきました。役者の仕事も小さい頃から目指していたわけではなくて、気がつくと自然とこのような状況になっていた感じですね。ただ、自分が知らない新しい世界に対しては、挑戦したい気持ちが常にあって。そうなったら、真面目に一所懸命やるだけなんです。ずっと続けていれば必然的に自分のやりたい仕事が増えてくると思うので。それは、どんな仕事に就いていたって同じことだと思います」

 役者という仕事は、空想や架空の世界を演じることで具現化していく仕事。そのパフォーマンスによって観る者の共感を得て、そして牽引していく。その姿に多くの人が魅了される。満島真之介にとって、役者という仕事そのものが「偶然の出会い」。ずっと出会いたかったのではなく、出会って良かった。それが役者という仕事だと考えている。

「今になって、役者こそ究極の体感型の仕事だと思っています。最近は、役と一緒に1日を過ごしている感覚で『お前は、どう考えてる?』って自分の役に自問自答してやっています。まだ大した年月を生きてないんで、正解はわからないままです。もし正解がわかってしまったら、仕事に対して探究心がなくなってしまうのかもしれません。僕が心がけていることは、常にスタッフを信頼してリスペクトを込めて、素直かつ誠実に裸の心でいようとすること。常に白いキャンバスでいるつもりです。そうすれば、周りの人が心を許してくれて、次第に歩み寄ってくれます。そしていろいろな服を着せてくれるようになるんです」

ジャケット¥310,000、Tシャツ¥39,000、 パンツ¥179,000、ベルト¥49,000(すべてETRO/エトロ ジャパン)

 役と出会って新しい自分を発見することがあるという。そんな瞬間が好きで、常に何色にでも染まる準備をしている。仕事がひとつ終われば、すぐにその色を落として、また別の色に染まる。何年か経って、白いキャンバスにこびり付いていつまでも落ちない色がある。それが満島真之介のカラーとなり、味となり“満島真之介らしさ”になるのかもしれない。

「風の吹くまま気の向くままに、身を委ねている感覚です。昼でも、夜でも風向きは変わるし、頑なにならずにずっと漂っていたい。そのためには、重い鎧を纏っていてはしなやかに動けないし、背負った荷物をごっそり下ろして風を感じ続ける。そして、ほんのちょっとした小さな風にも気づけるような、柔軟な感性を養っていきたいです」

Profile
満島真之介(みつしましんのすけ)/1989年生まれ、沖縄県出身。NHK朝の連続テレビ小説『梅ちゃん先生』に出演し一躍脚光を浴びる。初主演映画『風俗行ったら人生変わったwww』で個性的な存在感を放つ俳優としてブレイク、現在は映画にドラマ、CMと引っ張りだこに。2017年は映画『無限の住人』『忍びの国』『三度目の殺人』など数多くの出演作が公開を控えている。

Photo_Taka Mayumi(SEPT) 
Styling_Baby mix 
Hair&Make_Toshihiko Shingu(Surge)

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