星野源「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~」スペシャルインタビュー

2017.08.09 Wed

アーティスト、俳優、文筆家といくつもの顔を持つ星野源が、8月12日からスタートする「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~」で演じる吉村貴生と自分自身を照らし合わせながら語ってくれたスペシャルインタビュー。

仕事をするようになっていろんな人と会うことで、
考え方や感性も、こうやって少しずつ変化していくのかもしれないですね

星野源の魅力はたくさんある。自ら作詞作曲を手掛けるアーティストであり、俳優であり、刺激的な文筆家。落ち着いた声。常に控えめな常識人でありながら、そのテンションのまま下ネタも厭わぬ二面性。この日スタジオに現れた彼は、ごく普通の人のように小さく、しかし礼儀正しく挨拶し、ごく普通のテンションで“自分史上最も好きになれない役”についての質問に答え始めた。812日からスタートする「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~」で、軽いノリで手を出した覚せい剤で前科者となっただらしのない男・吉村貴生を演じている。

「今まで僕が演じてきたダメな人って、実は真っすぐでピュアなものを持っているのに、周りの人のせいでダメに見えるみたいな感じが多かったんですけれど、今回は……わりとマジでダメな人で(笑)。でもそれが逆に新鮮で、『演じてみたいなあ』と思ったんですよね。特に3話くらいまでのデリカシーのなさがすごいんですけれど、最終的にはそのデリカシーのなさがいい方向に作用するというか、みんなが遠避けてしまう他の前科者たちの領域に踏み込んで癒やしをもたらすような、そんな脚本でした」

シェアハウスの心優しきオーナー・朝田潤子に石田ゆり子、壮絶な過去を持つ女性・小池美羽に仲里依紗、秘めた野心を持つ正体不明の男・野口彰に眞島秀和、昔の男の影に苦しみながらも明るく振る舞う女性・矢部紫織に中村ゆり、事件によって恋人と別れ夢も諦めた古着ショップ店員・中原通彦に渋川清彦……と、共演者も個性派ぞろい。そして、殺人罪で服役しながらも再審請求をした男・加藤友樹を、デビュー20周年にして俳優初挑戦となるスガ シカオが演じることも話題だ。

「プラージュのみんなは本当に素敵でした。いい意味で前向きな人があまりいなくって…(笑)。ずっとユルい温度感でスマホを見たりおしゃべりしたり、でもお芝居はパッと切り替えてちゃんとやる、みたいな感じ。スガさんも大先輩なのに『源ちゃんさ~、アレ聞いた!?』とか『どうですか、皆さん』とか、一番後輩みたいなノリでおっしゃるんですよ。初体験の現場で緊張もされていたと思うんですけれど、とにかく吸収することが楽しそうで、だから20年間変わらずご活躍をされているんだなあと思いました」 

“訳ありばかり”と銘打たれただけあって、シェアハウスに住んでいるのは前科によって家も仕事も世間の信頼も失った者ばかり。だが、星野によると「“悪い人たち”というより“不幸な人たち”という感じで、貴生以外はみんなめちゃくちゃいい人。一番罪状の軽い貴生が、一番感情移入されにくいかもしれないです」とのこと。ということで、自身がこのシェアハウスに住めるかと問われても「こんないい人たちとだったら、全然一緒に生活したいと思いますね」という答えが返ってきた。しかし、よくよく聞いてみると、自身は「共同生活が少し苦手」なのだとか。

「ひとりっ子で、狭いながらもちっちゃい頃から自分の部屋があったので、ひとりでいる感じが好きなんですよね。中学、高校と家から通学するのに2時間くらいかかる学校で、本当なら寮生活をしたほうが楽だったと思うんですけれど(笑)。でも、今はもう、品のある人となら誰とでも、何人でも大丈夫だと思います。『この家事は自分の担当』という役割分担が決まっていたら、すべて自分でやらなきゃいけないひとり暮らしより、むしろ楽に感じるかもしれません」

ドラマのPRに「実際の社会には“本当にいい人”っていうのはそんなにいないとも思うので、若干ファンタジーではあると思うんですけれど」という前置きで、「罪の扱い方、それを背負った人との付き合い方を若干のコメディータッチで描いているので、お菓子でも食べながら楽しんで、何となくわかってもらえたらうれしいですね」と語る彼。端々に感じる哲学は、幼い頃からのひとりを好む性質から生まれたのかもしれない。しかし、その後の多くの出会いと経験を積み重ねることによって、その考えは常に少しずつ変化しているようだ。

「例えば音楽に関しても、音楽番組ってしっかり進行されていて落ち着いたイメージがあったんですけれど、実際に出演した時にはスタッフさんが必死に動いていて、現場は戦争のようで常にテンションが高い。すごく面白いなと思って、認識が変わりました。仕事をするようになっていろんな人と会うことで、考え方や感性も、こうやって少しずつ変化していくのかもしれないですね」

【Profile】
星野源(ほしのげん)/1981年1月28日生まれ、埼玉県出身。2000年、インストゥルメンタルバンド「SAKEROOK」を結成(~2015年)、2010年には1stアルバム「ばかのうた」でソロデビュー、続く2011年の2ndアルバム「エピソード」とともにCDショップ大賞で注目される(2016年には大賞受賞)。2016年、「逃げるは恥だが役に立つ」の津崎平匡役及び主題歌「恋」で大ブレーク。現在、ラジオ「星野源のオールナイトニッポン」が放送中。8月16日、ニューシングル「Family Song」がリリース。10月からは金曜ドラマ「コウノドリ」への出演が決定している。著書に「そして生活はつづく」「いのちの車窓から」など。

「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~」
WOWOWプライム
8月12日スタート
毎週土曜 22:00~23:00ほか 
※第1話無料放送

Text_Sakado Kiwami
Photo_Fukui Maiko
Styling_TEPPEI
Hair&Make_Go Takakusagi (VANITES)
Special Thanks_PROPS NOW